|
|
タクシーに乗って家に帰る。
タクシーの運転手は愛想が悪く、鳴っている踏切にも無理やり通り抜け、
道に迷い、他のダライバーに迷惑をかける。
しまいには、独り言のように「若い人なら歩けばいいのに」と
私に対してか愚痴をこぼす。
なんとか私は、笑顔で運転手に「もう少しで家なので」と道の支持をだす。
その時、バイクに乗って、黒いヘルメットをかぶった女の子が
道からでてきた。バイクの威喝さと女の子のかわいらしい服装が
とてもミスマッチな印象で思わずじっと見てしまった。
すると女の子のバイクにチェーンが長く引っかかっているのが見えた。
「あぶない!!」と心で叫んだ。でも運転手は気がつかず行こうとした。
そのとき、背後でドスンという鈍い音。
私は運転手に「とめて」と叫び、携帯をもたつきながらつかんで
女の子のもとへ駆け寄った。
女の子は倒れて動かない。私はバイクのエンジンを止めて、救急車をよぼう
と電話をする。しかし繋がらない。
私はいらいらし、運転手に声をかけるが聴こえないのかまったく反応がな
い。思わず言葉使いも汚くなり「おい、おやじ来い!!」と叫ぶ。
運転手は何故か、ちゃっちい担架をめんどくさそうに持ってきた。
私は女の子をどうしていいかわからずパニくる。
ほかにだれも気づいてくれず泣きそうになる。
遠くに女性が買い物から帰って家の中に入っていくのがみえた。
「きがついて!!」と思うだけで声が出ない。
私は、女の子が事故にあうとわかっていながら、
助けられずにいた自分を情けなく思い、後悔の気持ちでいっぱいだった。
そこで目がさめた。
|
|
|